■詳細 日本の夏の風物詩として夜空を彩る打ち上げ花火。熊野古道伊勢路・浜街道として世界遺産登録されている七里御浜では、毎年8月17日に熊野大花火大会が開催され、約1万発の花火が打ち上げられます。この花火の起源は、江戸時代に熊野市木本町の極楽寺の境内で上げられたお盆の初精霊供養花火と言われています。300年以上の歴史を持ち、供養花火としては世界一と称されるこの花火大会には、毎年全国各地から十数万人が訪れ、当地域最大の伝統行事となっています。 熊野には、大正から昭和初期まで7、8軒の花火製造会社がありましたが、戦後は花火師の数も減り、現在は大正3年(1914)創業の『和田煙火店』一軒のみとなり製造を続けています。熊野大花火大会のクライマックス、鬼ヶ城の岩壁に爆音が轟く鬼ヶ城大仕掛けを手掛けるのがこの和田煙火店です。3代目社長の和田憲明氏を含む従業員7名で、年間二十数件分の花火の製造を行ない、夏には打ち上げ専門の花火師も集結して、南伊勢から串本までの各地で打ち上げを行ないます。 花火を製造する人、それを打ち上げる人のことを花火師と呼びます。一見華やかな世界に見える花火師の仕事ですが、火薬を使用するため常に危険が伴い、作業には慎重さや確実さが求められ、裏では地道な努力に支えられていることがわかります。本展では、この裏方ともいえる花火師の仕事にスポットを当て、私たちが目にする美しい花火が夜空に打ち上がるまでの工程をご紹介します。伝統を守る花火師たちの仕事を知り、今夏、熊野の各地で開催される花火大会を、これまでとは少し違う視点でお楽しみいただければ幸いです。
≪付属事業≫ ◆花火師の仕事体験①「花火玉貯金箱をつくろう」 花火の製造を体験していただく教室です。4号玉(直径11.5㎝)の玉皮を用いて、玉作りの最後の工程「玉貼り」の作業を体験していただきます。クラフト紙をきれいに貼り、乾燥させた後、好きな花火の名前を書いて、オリジナルの貯金箱に仕上げます。 日 時:2019年4月27日(土)午前10時~12時 参加料:1,000円(材料費込み) 定 員:20名(要申込・応募多数の場合抽選) 場 所:三重県立熊野古道センター体験学習室 講 師:梅田ゆか子氏(有限会社和田煙火店) 受 付:2019年3月27日(水)~2019年4月20日(土)
◆花火師の仕事体験②「打ち上げ花火の現場を体験しよう」 花開くように夜空を彩る打ち上げ花火。一瞬で消えてしまう儚い光の世界を演出してくれるのが花火師たちです。華やかな花火大会の舞台裏で働く花火師の仕事について解説します。さらに、花火会場で花火師が行っている実際の作業の一部を体感していただくことができます。 日 時:2019年4月27日(土)午後1時~3時受付 参加料:無料 定 員:30名程度(事前申込不要・先着順) 場 所:三重県立熊野古道センター企画展示室 講 師:梅田ゆか子氏(有限会社和田煙火店)
◆花火師の仕事体験③「一夜限りの美の競演~木造建築と銀滝」 お盆の供養花火などでよく用いられ、仕掛け花火の代表格ともいわれる「銀滝」(ナイアガラ)を実演します。現役花火師による仕掛け準備から点火までの作業を自由に見学していただくことができます。ヒノキ造りの建物と伝統花火の競演をお楽しみください。 日 時:2019年5月1日(水)午後8時点火 ※雨天の場合順延 観覧料:無料 場 所:三重県立熊野古道センター 建物正面(北側) 花火師:有限会社和田煙火店
★5月1日(水)は午後9時まで、建物のライトアップを実施し、開館時間を延長します。 午後6時より、全国16か所の花火大会の様子を収録した映像『麗しき日本の文化 花火』(2011年/97分)を映像ホールにて上映します。 企画展示室開館時間:午後5時~9時(企画展示室) ライトアップ時間:午後6時~9時(展示棟・交流棟) 花火映像上映時間:午後6時~7時40分(映像ホール) 銀滝点火時間:午後8時(芝生広場)※午後5時より、準備の様子を見学していただけます。
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