■詳細 紀伊半島南東部の東紀州地域および南吉野地域は、沿岸部から一気にせりあがった1,000m級の山々が連なり、黒潮の影響を受け年間降水量約3,000㎜以上と日本でも有数の多雨地域です。そして、この山域は深く刻み込まれたV字谷が随所に形成され、多量の雨水を集めて一気に熊野灘に流れ込みます。 このような気象条件および地形を利用して、古くから当地方の熊野川水系や銚子川水系に発電や治水を目的としたダムや水力発電が数多く築造され、公益的な機能を果たし現在に至っています。 本展では水の循環が生み出す再生可能エネルギーの水力発電を取り上げ、その仕組み、特徴、種類などを紹介するとともに、当地域の北山川流域および銚子川流域に敷設されているダムおよび水力発電所を紹介し、その歴史や運用、役割などについて明らかにします。
≪展示構成≫ ①ダムおよび水力発電のしくみと役割 ②北山川・銚子川水系のダムと発電所 ③小水力発電所と地域の電気史 ④ダム大百科
≪付属事業≫ 1、講演会「土木遺産は語る~小水力発電所の今~」 明治32年(1899)12月、南牟婁郡紀宝町に三重県で初めての水力発電所・鮒田発電所が建設されたのを皮切りに、三重県南部地方では次々と小水力発電所が築造されました。しかし、電力需要の増加にともない、大規模な水力発電所や化石燃料に依存した火力発電が運用開始されると、小規模発電所はその役目を終え、順次営業を停止していきました。本講演会では、三重県南部地域の各所で稼働していた小水力発電所について、運用の歴史や地域とどのように関わってきたのかを、現在の姿と古写真、地形図などを紹介しながらお話しします。
日 時:平成30年12月22日(土)午後1時30分~3時 参加料:無料 定 員:80名(要申込、先着順) 場 所:展示棟映像ホール 講 師:橋本 博(熊野古道センター事業部 コーディネーター) 受 付:11月22日(木)~12月21日(金)
七色ダム 池原ダム
大又 堰堤
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