10回目を迎えるシシ垣サミットは紀伊半島、熊野地方での開催である。ここ熊野地方は、近世期築造されたシシ垣の遺構が随所に遺されていて、往時の暮らしや土地利用の様子を偲ぶことができる。
シシ垣は中部地方以西の中山間地で広く用いられた農耕施設(工作物)であるが、社会環境や産業構造、生活様式などの大きな変革に伴い、今ではその多くが木々に埋もれ現役から退いている。しかしながら、近年、シシ垣を歴史遺産や民俗遺産、産業遺産、はたまた文化的景観としての価値を再評価し、地域の履歴を物語るこの遺産を保存し活用を図る取り組みが台頭している。過去9回開いたシシ垣サミットも、このような今日的活用の動きがみられる地で開催されてきた。
ここ熊野地方は、世界遺産の熊野古道沿いにシシ垣を目にすることができ、「道」という新しいカテゴリーの文化遺産の好事例であり、地域観光のストーリーへの組み込みも実践されている。このような地で開くシシ垣サミットで、シシ垣の多面的価値を見定める議論をし、その保存と活用をいっそう促進する方途を探る機会にしたい。
※事前申込は不要です。
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期間:平成29年12月9日(土)・10日(日)・11日(月)
参加費:無料(別途、資料代300円)
受付:事前申込不要
主催:シシ垣ネットワーク
共催:三重県立熊野古道センター・熊野歴史研究会
後援:尾鷲市教育委員会・新宮市教育委員会

開催要領
日時:平成29年12月9日(土)・10日(日)・11日(月)
講演/パネル討論
9日(土)高田グリーンランド(〒647-1101新宮市高田1810)
10日(日)三重県立熊野古道センター(〒519-3625尾鷲市大字向井12-4)
シシ垣ウオーク
9日(土)新宮市高田地区
10日(日)那智勝浦町高津気地区
11日(月) 尾鷲市羽後峠/曽根次郎坂
主催:シシ垣ネットワーク
共催:熊野歴史研究会・三重県立熊野古道センター
後援:新宮市教育委員会・尾鷲市教育委員会
参加費:無料(別途、資料代300円)
事前申し込み不要

プログラム(講演/パネル討論)

9日(土)14:00~17:45
セッション1「紀伊半島のシシ垣1(各20分)」
石橋 克介(元熊野列石研究会事務局長):「熊野列石調査の回顧と課題」
西 美恵子(高津気地域づくり会事務局):「限界集落に残るシシ垣」
向井 弘晏(熊野市文化財専門員):「語り部がみた熊野古道とシシ垣」
「コメント(各5分)」
山本 殖生(熊野三山協議会)
駒田 利治(三重県史編集委員)
内山 裕紀子(くまの体験企画)
セッション2「国内他地域のシシ垣事情(各20分)」
橋本 操(愛知工業大学地域防災研究センター):「長野県須坂市におけるシシ垣と広域防護柵の管理」
高橋 春成(シシ垣ネットワーク代表):「滋賀の比良山地麓や伊吹山麓に残るシシ垣とイノシシ」
宮城 邦昌(シシ垣ネットワーク会員):「沖縄島北部のシシ垣とその特異性」 
セッション3「パネル討論:シシ垣を地域遺産として守り活かす方策を考える(70分)」
司会:高橋 春成
登壇者
向井 弘晏・西 美恵子・佐竹 昭(広島大学名誉教授)・花井 正光(NPO法人沖縄エコツーリズム推進協議会)

10日(日)15:00~17:00(三重県立熊野古道センター映像ホール)
セッション4「紀伊半島のシシ垣2」
三重県古道センター展示展覧
中野 朝生(紀北町ふるさと懇話会):「三重県紀北地方のシシ垣について」
川口 有三(猪垣調査会):「尾鷲の猪垣」

プログラム(シシ垣ウオーク)
9日(土)
シシ垣ウオーク1「新宮市高田・熊野古道高野坂(ガイド:山本 殖生)」
集合時間:9:00
集合場所:高田グリーンランド
10日(日)
シシ垣ウオーク2「那智勝浦町高津気地区(ガイド:西 比古次)」
集合時間:9:30
集合場所:那智勝浦町高津気「清源寺」
11日(月)
シシ垣ウオーク3「尾鷲市羽後峠・曽根次郎坂(ガイド:川口 有三)」
集合時間:未定
集合場所:未定
※決定次第こちらにてお知らせいたします。


三重県立熊野古道センター
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〒519-3625尾鷲市大字向井12-4
http://www.kumanokodocenter.com/
TEL:0597-25-2666
FAX:0597-25-2667
E-mail:info@kumanokodocenter.com
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