熊野市紀和町丸山区の伝統行事「丸山千枚田の虫おくり」を平成28年7月2日(土)19時20分から開催いたします。

まずは、18時から点灯する棚田の枚数と同じ1,340本のキャンドルの揺らめきをご覧ください。その後は、丸山神社で記帳をし、松明や提灯を持ち、太鼓や鐘を打ち鳴らしながら、「虫おくり殿のお通りだい」との掛け声とともに千枚田を練り歩く「虫おくり行列」を楽しんでください。

そして、メッセージキャンドルに願いを込めていただき、夏の初めの良き思い出を作っていただきたいと思います。

皆様お誘いあわせのうえ、「丸山千枚田の虫おくり」にぜひご来場ください。田んぼの畦道を一緒に練り歩く「虫おくり」に参加いただいて、丸山千枚田の豊作と皆様の健康を一緒にお祈りしましょう。

なお、当日の駐車場には限りがありますので、ご来場の際は乗り合わせでお願いします。また、ご来場の皆者の安全確保と交通渋滞の防止のため、会場一帯は午後3時から終了まで通行止めとし、周辺の県道については、午後8時から午後9時30分まで、丸山千枚田から風伝トンネル方面への一方通行を行いますのでご協力をお願いします。

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丸山千枚田の虫おくりとは

丸山千枚田は、慶長6年(1601)には2,240枚あったと記録されていますが、平成5年には約530枚まで減ってしまいました。しかし、この貴重な資源と伝統的な農耕文化を保護し後世に伝えていくことが極めて重要と考え、地元住民と紀和町(現熊野市)が一体となり平成5年より復元を開始しました。平成8年には1,340枚まで復活し、訪れる人に感動を与えています。

そして、将来まで残したい伝統的な農耕文化の一つとして、「虫おくり」があります。「虫おくり」とは現在の稲作では害虫駆除にあたるもので、昭和28年まで実際に丸山地区で行われていた行事です。昔は、農薬等もなく、虫害になすすべがなかったことから、地域の子供たちがお寺でお札をもらい、松明と太鼓、鐘などを手に千枚田の中を練り歩き、火と音で害虫を追払うものでした。

そこには、少しでも多くのお米を収穫したいという素朴な農民の祈りがこめられていました。

ひと粒のお米でも多く収穫したいという農家の願いは、1614年の北山一揆に丸山地区の農民も加わっていたことから分かるように、山間地で農業を営む全ての農家の願いで、この虫おくりも豊作を心から願い行っていたものです。

平成16年に熊野古道が世界遺産に登録されたことを記念して「虫おくり」を復活させました。復活当時の「虫おくり」は地元の子供たちの「虫おくり殿のお通りだい」の掛け声とともに千枚田の豊作を願うという、昔ながらの行事を再現したものでした。

復活当時は50本程度だった松明も平成21年には1,000本、平成22年からは田んぼの枚数と同じ1,340本となり、幻想的な情景の中で虫おくり行事が行われるようになりました。

平成24年からは、虫おくり行列への参加・メッセージキャンドルに参加・虫おくりボランティアスタッフでの参加と皆さん一緒に虫おくりを楽しんでいただけるようになりました。

このイベントを楽しみに訪れる方は年々増え、1,340本のキャンドルが揺らめく幻想的な風景、大勢の方と田んぼの中を練り歩く虫おくり行列は、丸山千枚田に夏の訪れを告げる風物詩として定着しています。


熊野市役所
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